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接合分野 : 環境調和を実現する実装技術の推進

世界の産業を牽引する日本のエレクトロニクスや自動車には、環境調和性が強く望まれています。当研究室では、鉛フリーはんだ付け技術に早くから注目し、高信頼性を実現する接合材料を開発するとともに、接合部に生じる問題の解明とその抑制策を研究します。

ウィスカ発生メカニズムの解明

人工衛星など高い信頼性が要求される製品で起こるショートの原因であるSnウィスカの発生メカニズムを解明する。42アロイ(Ni42%-Fe57%)基板上にSnめっきを施したサンプルを、真空中または大気中で熱サイクル試験後、表面SEM観察を行った。大気中における熱サイクル後、Snウィスカは、複数の粒界から太いノズル形状に成長した。一方、真空中における熱サイクル後、 Snウィスカは、一つの粒界から細いフィラメント形状に成長した。真空中に比べ、大気中ではSn表面の酸化速度が大きく、ウィスカの成長形態は酸化速度に依存している。

はんだ接合部のエレクトロマイグレーション

最近のトレンドに沿って小型化が進む多機能・高性能なデバイスのはんだ接合部には、以前よりも大きな電流密度の電流が流れるようになった。これにより接合部で、以前まで問題にならなかったエレクトロマイグレーション現象が信頼性低下の問題の一つとして浮上した。本研究は、接合部から発生するエレクトロマイグレーション現象に関する研究を行い、信頼性評価と改善を目的とする。

Agフレークを用いた低温・低荷重接合材料

電力損失を大幅に削減可能な次世代パワーデバイスだが、その稼働温度の上昇により、優れた耐熱性、耐熱衝撃性が、パワーデバイス用接合材料において必要とされている。本研究では、扁平状のAgフレークを用いることで、低温・低荷重の焼結条件下(200~300℃、0.4MPa)で優れた接合強度(20.7~37.1MPa)を得ることに成功した。また、1000サイクルの熱衝撃試験(熱サイクル条件 : -40℃~180℃、-40℃~250℃)後も、接合強度の変化は小さく、高い信頼性も示した。

Ag同士ダイレクトボンディング技術

近年、IT産業の急速な発展によってICチップの高機能化と高集積化が求められており、微細な配線を持つICチップ同士を接続する3次元実装技術が多く用いられている。一般的に、ICチップの微細バンプ間の接合には、鉛フリーはんだが用いられている。しかしながら、接続端子の微細化にともない、接合はんだのサイズが非常に小さくなったため、金属間化合物形成による電気的断線が発生し易くなった。さらに、鉛フリーはんだは、融点が低いため、GaNとSiCなど高温動作が期待される新世代パワー半導体への適用が困難である。 そこで、信頼性が高く、低温で接合が可能な接合技術が必要とされている。高温での信頼性が高く、電気的特性に優れるAgを用いたAgダイレクトボンディング技術について研究している。

ZnはんだによるSiC超高温ダイアタッチ技術の開発

ワイドギャップ半導体であるSiCは、絶縁破壊電圧が高く高温動作が可能であり、次世代パワーデバイスとして注目されている。その動作温度は250℃になると期待されており、従って、300℃程度まで耐えられる実装材料が必要とされている。先行研究で、純Znを用いてダイアタッチを行い、50~300℃範囲の熱衝撃試験で、優れた信頼性を確認した。一方、純Znは比較的脆性であり、酸化速度が速いため、延性付与と大気中や高温高湿環境における特性改善が必要である。そこで、微量元素添加( Ca, Mn, Cr, Ti )によるZnの延性改善や酸化に与える影響を調査し、熱衝撃試験を行った。その結果、微量元素の添加により強度は低下することなく、破断伸びが向上した。また、高温酸化試験の結果、微量元素の添加は、酸化抑制の効果があった。

プリンテッド・エレクトロニクス分野 : 印刷によるデバイス作製技術

プリンテッド・エレクトロニクス技術は、省資源であるとともに、プロセス低温化による省エネルギーにより真の低炭素社会を実現し、経済的でありながら超微細から大面積の製造を可能にするスケーラビリティーを有し、様々な形のフレキシブル・エレクトロニクスを実現します。

銅塩インクを用いた光焼成による配線作製

プリンテッド・エレクトロニクス(PE)における電極や配線形成には、マイグレーションが起こりにくく、かつ安価な銅での配線形成が期待される。今回、銅粒子合成の前駆体である銅塩インクに光照射することで、大気中で短時間(数秒間以内)に還元銅を作製した。銅塩をアミンへ溶解させたインクを印刷後、印刷物へキセノンランプでパルス光を与えると図1(a)のように配線全体が赤褐色(還元銅の形成 : 図(b))に変色し、5.6×10-5 Ωcmの電気抵抗率を示した。

低抵抗なインクジェット印刷配線

本研究では、銀ナノ粒子インクをインクジェット印刷機で描画して、低抵抗な配線作製を目指している。単にプラスチック基板上へ直接描画するのではなく、インク溶媒だけを吸収する高分子型コート層を設けた基板上へ描画することで、焼結した配線に不導体が残りにくくなり、低抵抗な配線を実現できた。

銀ナノワイヤ印刷アンテナ

近年、携帯性に優れたスマートフォン・無線LAN・RFIDなどの通信機器の普及が加速している。我々は、銀ナノワイヤーを用いて銀ナノワイヤーペーストを開発し、高周波用配線材料としての評価を行った。その結果、銀ナノワイヤー印刷配線は、表面粗さが非常に小さく高周波用配線への損失低減に有効であった。さらに、PET基板上に銀ナノワイヤーペーストでアンテナを作製すると、ラジコン用アンテナとして優れた特性を示した。

セルロースナノファイバー基板

プリンテッド・エレクトロニクスで用いられる基板は、フレキシブル性、低熱膨張性および透明性が求められている。我々は、木材を精製および解繊し得られたセルロースナノファイバーからPEに向けたフレキシブル基板を作製した。作製した基板は、折り畳みが可能であり、ヘイズが3%と市販プラスチック(PET)よりも透明性が高く、また、熱膨張率が8 ppm/Kと非常に優れた性質を示した。

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